DIY向け・業務用建築塗料の基礎知識 その0(ゼロ)

私、塗料販売店で働いております。

主に建築業務用(プロ向け)塗料を取り扱っているのですが、昨今のDIY需要に後押しされて塗装屋さんではない(DIYを目的とした)個人の方からの注文も多くあります。

その際に使い方とか性質とか各種質問をいただきますが、確かに塗料って種類多くて訳わかんないよねぇ、と共感することもしばしば。

検索して調べてみてもプロの方や、これはもうほぼプロだろと言わんばかりのアマチュアの方が具体的かつ的確に解説しているサイトは多くありますが、ふわっと全体像を解説しているものはあまり見かけません。

そこで、DIYに興味があり、どうせやるならしっかり知識をつけたいというそこのあなたに向けて、最適な塗料を見つけるための基礎知識をまとめていこうと思います。

建築用塗料って何のためにあるの?

建築用塗料の目的は大きく2つあります。

一番の目的は、建物を守り、長持ちさせるためです。建築物の躯体は、主に物理的強度に特化していますが、紫外線や雨などの自然環境への耐性(耐候性)が低いものがほとんどのため、なるべく劣化速度を遅くし、防御力を高めるために建築用塗料はあります。

目的の二番目がデザインです。地味なのが良かったり派手なのが好みだったり各種ご要望にお答えするために塗料メーカーはいろーんな種類のものをたーっくさん開発しています。ここら辺が混乱する原i(ry ※塗料の種類の多さは、品質グレード差や各種特性による差別化の影響などの方が中心の理由ですので、個人的な偏見です

種類の説明のその前に

若干蛇足気味な項目ではありますが、前提としてお話ししたいことが一つあります。

塗料はそれ自体が完成品ではなく、塗布をしてしっかり乾燥させて固まって初めて完成するものです。固まったものを「塗膜」と言い、「塗膜」をつくるために必要な素材が塗料になります。(そのため業界内では、塗料は「製品」ではなく、「半製品」と呼称します)

当たり前じゃねぇかという話ですが、DIYをされる方には実は大事な部分だったりします。

「塗ってみたけど上手くいかなかった」という時に、真っ先に塗料の不具合を疑う方がいらっしゃいます。そしてその場合、塗り方や保存方法などの取り扱い方が間違っていたというケースがほとんどです。

販売者(社)側の意見としてかなり傲慢に見えるかもしれません。しかし、プロの塗装屋さんが存在する理由はここにあります。

「半製品」の状態の塗料から、「塗膜」という「製品」を作り上げるためには「技術」が必要です。その「技術」を身に付けるのは一朝一夕で出来るものではなく、文字通り「職人技」。それをDIYでプロと同レベルのものが再現できると考えるのは無理があるのはお分かりいただけると思います。

ですので仮にDIYで思い通りの仕上がりにならなかったり、残念ながら失敗してしまったりした時に、塗料(材料や道具なども含む)に原因を求めるのではなく「把握しきれなかった知識や情報があった」または「技術力が足りなかった」など自分自身に何かが足りなかった、と考えた方が、今後のよりよい結果に繋がるはずです。

※実際に塗料に問題があり、メーカーが回収したという事例は、私が把握している限り起こっていません。

以上のことから、コストカットを目的としたDIYはあまりオススメできません。餅は餅屋さん、塗装は塗装屋さんにまかせましょう。失敗のリスクがほとんど無いことや、メンテナンス頻度が長くなるなど、結果的にプロにまかせた方が長い目でみるとコストカットに繋がることが充分考えられます。

長くなってしまったので今回はおしまい

思いが高まりすぎて説明に入れませんでした。次回こそ塗料の分類について書きたいと思います。

販売側として~うんたらかんたらと書きましたが、決して喧嘩を売ったわけではなく、最大限応援したい気持ちでいっぱいです。実施前であれば予算含め色々提案出来ますし、作業途中で問題が起こったら販売店に相談してください。きっと親身に話を聞き、一緒に頭を捻ってくれるはずです。

では次回「DIY向け・業務用建築塗料の基礎知識 その1」でお会いしましょう。

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